不動産を売買するときに読み合わせされる「重要事項説明書(重説)」。現在は基本的に、宅建士・売主・買主が同じ場所に集まって読み合せをしますが、国土交通省は、2021年4月にも非対面による重要事項説明書の読み合わせを可能とする方針を発表しました。
非対面による重要事項説明書の読み合わせは、「IT重説」と呼ばれます。具体的には、テレビ電話などを介し、宅建士や売主、買主が一堂に会さない場所での重要事項説明の読み合せが可能となります。
実はすでに、不動産の賃貸取引ではIT重説の運用が開始。売買取引に関してはこれまで社会実験中でした。しかしコロナ禍で、不動産業界のみならずあらゆる場面で非対面ニーズが高まったことをうけ、2021年4月、不動産売買取引においてもIT重説の本格運用がスタートする運びとなったのです。
不動産売買における重要事項説明書は、顧客からすれば難しい内容であり、契約時に数時間にわたって読み合せすることが物理的な負担にもなっていました。
IT重説が可能になれば、以下のようなメリットがあります。
たとえば、病気やケガ、海外在中などでなかなか店舗に来られない顧客であっても、IT重説が可能であれば不動産取引がしやすくなるといえるでしょう。
これまでも、不動産会社は売主に対して重要事項説明をする義務はありませんでした。しかし、便宜上、契約前に売主・買主がいる場で行われることが多かった重要事項説明書の読み合せ。IT重説が普及すれば、売主においても契約時の負担は減ると考えられます。
重要事項説明のIT化のみならず、不動産の契約自体を電子化する動きも。また重要事項説明書については、IT重説は可能になっても現状は「書面」での交付が義務付けられていますが、この点についても電子メールなどでも交付できるよう法改正が進んでおり、2021年3月より社会実験が始まっています。
【不動産売買取引におけるデジタル化の動き】
続々と開始になる、不動産売買取引におけるIT化。コロナ禍での需要拡大を機に、その動きは加速しています。
緊急事態宣言が解除されたとはいえ、まだまだ対面取引に慎重な方も少なくないはず。売買契約のデジタル化により、取引の活性化やスピード感アップなど様々な効果が期待されます。
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